海外で働く話を家族に切り出すとき、英語では「決断を伝える」「お金の条件を確かめる」「危険を警告する」「約束の裏づけを求める」という4つの機能が同時に必要になります。この記事は、アディスアベバの家で娘がドバイでの仕事を母親に打ち明け、エージェントへの支払いや貸してほしい貯金の話になるやりとりを題材にしたB1向け学習ガイドです。物語の筋を追うのではなく、海外就職の話を家族にするときの英語、給料やビザを確認する英語表現を実践的に身につけることを目的にしています。

扱うのは、費用や条件をたずねる質問、伝聞で手配を確認する言い方、約束を求める表現、領収書や書類の安全を確かめる丁寧なフレーズです。会話の中で実際に使われた表現と、練習用にこちらで追加した例文を区別しながら紹介します。B1レベルの学習者が、自分の状況に置き換えて使える形にしていきましょう。

状況と学習ゴール:家族に大きな決断を伝え、条件を確かめる

この場面の中心は、21歳の娘が工場の仕事を辞めたあと、知人を通じて決まったドバイのサロン仕事に行くと母親に告げ、そのために借りた貯金をエージェントへの支払いに使いたいと頼む流れです。母親はチケット、ビザ、給料が出るまでの最初の一か月の生活費、そして行くこと自体の危険について警告します。感情と実務が同じ会話に混ざるのが、この種のやりとりの特徴です。

学習ゴールは次の4点です。

  • 大きな決断を、家族に伝わる強さで言えるようにする
  • 給料・家賃・チケット・手数料・貯金・学費について質問し、答えられるようにする
  • 約束を取りつけ、証拠や確認を求める言い方を身につける
  • ビザ、領収書、パスポートといった書類の安全について、丁寧だが明確に話せるようにする

「海外就職 家族 説得 英語」「エージェント 手数料 確認 英会話」のような場面を思い浮かべながら読むと、表現が定着しやすくなります。

この場面で使える英語

以下では、会話中で確認された表現と、練習用に追加した例文を分けて示します。会話で使われた表現も、あらゆる場面で無条件に適切というわけではありません。状況とトーンを必ずセットで覚えてください。

I'm not asking for your permission. I'm telling you.

「許可を求めているのではなく、伝えているのです」という意味で、家族の議論を打ち切る強い言い方です。会話の中で確認された表現です。自立した決断を示す一方、相手の不安を遮る響きがあるため、目上の相手や交渉の初期段階では使いどころに注意が必要です。

追加例(練習用):

  • I'm not asking for permission, but I do want your advice.(許可を求めてはいないけれど、あなたの助言は欲しい)

強さを残しつつ角を立てない形として、こちらのように後半で歩み寄る言い方も練習できます。

Afraid keeps you alive.

「恐れることがあなたを生かす」、つまり恐怖心が用心深くさせてくれるという警告です。会話の中で確認された表現です。説教くさく聞こえることもあるので、家族や親しい間柄で、心配を伝えたいときに使うと自然です。

追加例(練習用):

  • A little fear is useful. It makes you check the details.(少しの恐れは役に立つ。細部を確認させてくれる)

Will I get a receipt for this money?

「このお金の領収書はもらえますか」と、支払いの証拠を求める実務的な質問です。会話の中で確認された表現です。エージェントや店など、金銭のやりとりがある場面でそのまま使えます。

追加例(練習用):

  • Could I have a receipt, please?(領収書をいただけますか)
  • Could you confirm the total fee in writing?(手数料の総額を書面で確認できますか)

I trust you, but I will count it.

「信じてはいるけれど、数は数えます」という、信頼と確認を両立させる慎重な言い方です。会話の中で確認された表現です。相手を疑う印象を与えずに、金額や枚数をその場で確かめたいときに有効です。

追加例(練習用):

  • I trust you. I just want to check the numbers together.(信じています。ただ、一緒に数字を確認したいだけです)

Don't sign papers you don't understand.

「理解していない書類に署名してはいけない」という、契約や書類に関する明確な警告です。会話の中で確認された表現です。命令形ですが、助言として家族や同僚に伝える場面に向いています。

追加例(練習用):

  • Please don't sign anything until you have read it carefully.(よく読むまで、何にも署名しないでください)
  • Keep your passport with you at all times.(パスポートは常に手元に置いてください)

語彙:お金と移動の言葉を整理する

この会話では、お金の語彙が混ざりやすいので、誰が払い、誰が受け取り、誰が借りるのかを意識して整理しましょう。

  • salary:仕事から定期的に受け取る給料(ふつう月給)
  • agent:サービスや取引を手配する人。多くは手数料を伴う
  • commission:取引や客の紹介に対して支払われるお金
  • savings:将来のために取っておく貯金
  • loan:借りて、あとで返すお金
  • visa:入国や滞在を許可する公式な許可
  • receipt:支払いを証明する書類
  • passport:海外渡航に必要な公式の身分証明書

整理のコツは、次の4グループに分けることです。

  1. 自分が受け取るお金:salary、commission
  2. 自分が支払うお金:fee、ticket
  3. 借りる・ためるお金:loan、savings
  4. 書類:visa、receipt、passport

「salary と fee の違いは?」「commission は誰が払う?」と自問すると、混同が減ります。

言語の使い方:伝聞・約束・確認を組み立てる

この会話の難しさは、誰が何を約束したのかを追う点にあります。知人を通じた手配は「Hana says…」「She said…」のような伝聞で語られ、母親は「What is the name?」「Everything is arranged.」と詳細を問いただします。伝聞では、時制・代名詞・時間表現がずれる点に注意しましょう。

  • 直接話法:She said, "I will send the contract tomorrow."
  • 間接話法:She said she would send the contract the next day.

約束を確かめるときは、強さの段階を使い分けます。

  • やわらかい確認:Could you confirm the start date?
  • 証拠の要求:Could I have that in writing?
  • 明確な条件提示:I'll need a receipt before I pay.

書類の安全については、「Don't sign papers you don't understand.」「Keep your money close」のような短い指示が有効です。パスポートは自分で保管する、ビザの種類と有効期限を写しで確認する、といった具体的な行動とセットで覚えると実践につながります。

よくある間違いと練習法

よくあるつまずきは3つです。第一に、salary、fee、commission、loan、savings の混同。第二に、伝聞での時制と代名詞の変化の抜け。第三に、証拠を求めるときに直接的すぎたり、逆に遠慮しすぎたりして要点が伝わらないことです。

練習法の例:

  • 家族ロールプレイ:Aが海外や他都市での仕事を伝えて借金を頼み、Bが給料・家賃・渡航費・返済について質問し、警告を一つ加える。終わったら役を交代する。
  • お金の単語仕分け:salary、fee、commission、savings、loan、receipt、visa をカードにし、「稼ぐお金」「払うお金」「借りる・ためるお金」「書類」に分類してから質問し合う。
  • 伝聞タスク:エージェントの短いメッセージ(仕事内容と手数料)を読み、家族に「She said…」「He told me…」で伝え、名前・住所・支払日を確認する。
  • 確認と安心のミニ会話:仕事内容の確認、領収書の依頼、書類の受け渡しの約束を、「Could you confirm…?」「I'll need a receipt, please.」を使って書く。

最後に、レッスンを聞いて、母親役として「Could you confirm the salary and the visa type?」と一度声に出してみてください。自分の決断を伝える一言と、相手の不安に答える一言をセットで練習することが、この場面の英語を自分のものにする近道です。